グリッドパリティ(Grid parity)とは、風力発電や太陽光発電といった新たなエネルギー源による発電コストが既存の系統電力の価格(電力料金)と同等になること[1][2][3][4]、もしくはその境界点となるコストを指す[5]。直訳では「系統電力との等価」を意味する。
2005年頃には「既存電力と競争力を有すること」等、既存電力よりも安くなることまで含みを持たせた定義も見られた[6]が、2009年末に米国国立再生可能エネルギー研究所によって上記のように定義されている[5]。
また発電コストが他の発電方式に並び、発電事業者からみた場合でも他の発電方式より安くなることと合わせて論じられることもある[7]。こうした価格よりも安くなることで、普及速度が飛躍的に上がるだろうと言われる[6]。
太陽光発電 [編集]
太陽光発電は比較的コストの高い電源として知られている。しかし普及が進むに伴って価格はほぼ経験曲線効果に従って低減しており[8]、既に一部地域では電力価格との等価が達成されたと見られている[9]ほか、価格低減の進展によって今後もこの価格水準に達する国や地域が増加すると見られている。また多くの国や地域で電力価格との等価に到達する目安としては、太陽光発電モジュールの価格が容量1Wpあたり1ドル (1$/Wp) が目安とされる[9]。既に一部の生産企業はモジュールの生産コストが$0.84/Wpまで低くなったとしており[10]、売り上げを伸ばしている[11]。2014年にはさらに$0.52~$0.63まで安くできると表明している[12]。また現在主流である多結晶シリコン太陽電池も、2015年頃にはグリッドパリティに到達するだろうと言われている[13]。
参考資料 [編集]
- ^ 野澤哲生著、『増殖寸前 太陽電池』、日経エレクトロニクス2010年2月8日号
- ^ 太陽電池の夜明け、EETimes Japan、2008年9月16日
- ^ ニッポン太陽電池産業が地球を救う?(前編)、アットマークアイティ・モノイスト、2008年6月30日
- ^ NEDO海外レポート No.1031, 2008.10.22
- ^ a b Break-Even Cost for Residential PV, NREL, Dec 2009
- ^ a b Going for grid parity, BP Solar, 2008年12月21日閲覧
- ^ Has First Solar achieved grid parity? Report claims the numbers add up, PV-tech.org
- ^ Thin Film Production Overview in the Short and Medium term, A.J.Waldau, EU Commission, DG JRC, Ispra, 03/09/2008, 23 EU-PVSEC, Valencia
- ^ a b Solar Grid Parity: The Great $1 Myth, Seeking Alpha, 2008年12月9日
- ^ First Solar Fast Facts
- ^ First Solar analyst day post-mortem, Part I: 52 cents manufactured cost per watt seen by 2014, PV-tech.org, 30 June 2009
- ^ AIC 2008: Solar Power Moves to Grid Parity, CreditSuisse, 2.4.2008
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