屋根借り太陽光発電 市民グループ、ユニーク事業 長野
原発に代わる自然エネルギーの普及などを目指す長野県の市民グループ「上田市民エネルギー」(藤川まゆみ代表)が、ユニークな取り組みを始める。太陽光発電のソーラーパネルのオーナーを募集し、屋根を貸す「屋根オーナー」の家の空きスペースにパネルを設置して、パネルオーナーに売電収入を還元するシステム。太陽光パネル「相乗りくん」と名付けたモデル事業で、22日に9人のパネルオーナーと契約を結んだ。
太陽光発電を始めたくても、「設置費が高い」「借家だから」「屋根はあるけど日当たりが悪い」など、様々な理由から踏み切れない人も少なくない。そんな現状に対し、屋根を貸す人と、自然エネルギーをやってみたい人をつなぐ事業として「相乗りくん」のアイデアが生まれた。
オーナーは10万円から契約可能で、それ以上は自由に設定できる。契約して事業がスタートすると、オーナーには売電収入が振り込まれる。試算では、50万円分のパネルだと1.13キロワットの機能があり、年間1200キロワット時の発電量が想定される。これを売電収入に換算すると、リスクはあるものの、利率的にも10年で元が取れる計算になるという。
22日に契約を結んだ9人に加え、さらに2人が予定し、検討中の人もいる。
オーナー契約をした果樹園経営の男性(57)は「3・11以降、原発でなく自然エネルギーだと思った。行政や政治に(対応を)求めることも必要だが、自分たちに出来ることをやっていきたい」と話した。
藤川代表は「上田は日照率が高く、太陽光発電に有利。これをとっかかりに地域での自然エネルギーを広げていきたい」。今後、公共施設の屋根スペースの活用など、自治体にも働きかけて幅広い活動を進めていくという。(鈴木基顕)
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